1879.02.22(Sat)

 パリとは何という相違だろう! ここではひとりでに目が覚める。窓は夜通し開けっ放しである。私の借りている部屋は私が昔バンザとデッサンをけいこした部屋である。私は太陽が庭の真ん中の噴水のそばの木立の上から現れてくるのを見る。昔そうして毎朝見ていたように。私の小さい書斎だけは今も昔のままの壁紙がはってある。私が自分で選んだ壁紙である。きっとこの家はイギリスの野蛮人が借りていたに相違ない。……部屋の壁紙を見ても分かる。それに新しい廊下をつけたりして、いやになってしまう。私の借りている部屋は温室のようだった。
 気候は実に良い!
 私たちはニースにいる間はロンドン・ハウスで食事をすることにしよう。ここにいると誰にでも会える。ことに謝肉祭になると。
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by bashkirtseff | 2008-12-11 16:54 | 1879(20歳)
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