1879.02.21(Fri)──ニース

 まあ! うれしい、私はニースに来ている!
 私は清らかな空気に浸って、日光を浴びて、波の音を聞きたかったのである。あなたは海が好きですか? 私は気違いのように海が好きです。ローマだけはそれを忘れるところであるが……ほとんど忘れるところであるが。
 私はポオルと一緒に来た。……私たちは夫婦と間違えられてこの上なくしゃくに障った。私たちの別荘は貸してあるのでオテル・デュ・パルク、すなわち私たちが8年前に借りていた当時の別荘ダカ・ヴィヴァに泊まった。8年! そうして私は今のんきな旅である。ロンドン・ハウスで食事をすると、亭主のアントアヌがあいさつに来たり、女店員たちがあいさつに来たりする。それから御者たちが皆会釈をして腰をかがめる。私たちの乗った馬車の御者は私が大きくなったと言ってお世辞を言った。その男は良く私を見覚えていた。今1人の男はマダム・ロマノフに雇われているが、御用があったら命じてくれるようにと言った。それからリュ・ド・フランスのお友達が来た。非常に気持ちよく、皆が私に愉快をたくさん与えてくれた。
 夜も美しかった。私は1人で10時まで抜け出してうちに帰らなかった。海岸へ行って波の伴奏が歌いたかったのである。見る限り人影もなく、実に愛すべき景色であった。パリにいた後であるから、パリに!
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by bashkirtseff | 2008-12-10 15:30 | 1879(20歳)
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