1879.02.16(Sun)

 土曜日に私はしかられた。
 ──どうしてあなたはそれだけの能力を持っていながら絵の具を使うことをば難しがるのだか分かりませんね。
 それは私にだって分からないのである。私はまひしているのではないかと思う。もうもがく必要もない。死ぬよりほかに道はない。神様、私の善良な神様! 私はもうこれ以上誰からも期待されるものを持っていないのでしょうか? 何より悪いことに、私は今寒くもなく少しも必要もないのに、暖炉の中へ薪をいっぱい入れた。考えてみると、この瞬間に飢えて凍えて泣いている気の毒な人がたくさんあるだろうに。……こんなことを考え込んでいると、私の好んで流す涙も乾いてしまう。これは単なる空想に過ぎないが、私はいっそ零落し尽くしたいと思う。どん底まで落ちてしまえば、もう怖いものは何にもないから。また働く力の残っている限り飢えて死ぬということもないから。
[PR]
by bashkirtseff | 2008-12-10 15:26 | 1879(20歳)
<< 1879.02.18(Tue) 1879.02.05(Wed) >>